「もし、動かない手足を切り落とすことが、その人の人生を救うとしたら——あなたはどう判断するか。」
この問いを正面から突きつける映画が、2026年5月15日に公開される。映画『廃用身(はいようしん)』です。主演に染谷将太、監督に吉田光希を迎え、現役医師作家・久坂部羊の衝撃のデビュー小説をついに映画化。出版当時「映像化絶対不可能」と言われた本作が、20年越しの執念でスクリーンへと降り立ちます。
この記事では、映画『廃用身』の原作・あらすじ・キャスト・見どころを徹底解説。
「廃用身とは何か」「なぜ今この作品が話題なのか」——公開前に知っておくべきことをすべてまとめています。
映画「廃用身」の基本情報
公開日・スタッフ・レーティングなど基本情報の一覧は下表を参照してください。
| 公開日 | 2026年5月 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開 |
|---|---|
| 原作 | 久坂部羊『廃用身』(幻冬舎文庫) |
| 主演 | 染谷将太 |
| 監督・脚本 | 吉田光希 |
| 音楽 | 世武裕子 |
| 配給 | アークエンタテインメント |
| レーティング | PG12 |
| ジャンル | ヒューマンサスペンス / 医療ドラマ |
| 公式サイト | https://haiyoshin.com/ |
特筆すべきは2点。まず、レーティングがPG12(12歳未満は保護者同伴推奨)に設定されている点です。廃用身という医療倫理の問題を正面から描く作品として、日本映画では珍しい配慮といえます。次に、音楽担当の世武裕子は「ストロボ・エッジ」「リバーズ・エッジ」など多数の話題作を手がけてきた実力派作曲家であり、本作の不穏な空気感をさらに際立てる存在として注目されます。
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原作「廃用身」はどんな小説?久坂部羊とは
廃用身とは、医学用語で麻痺などにより回復見込みのない手足を指す言葉。この言葉を物語の核心に据えた原作小説は、現役医師作家・久坂部羊が2003年に発表したデビュー作です。
この作品に深みが宿っているのは、作者が「書斎の物書き」ではないからです。久坂部は大阪大学医学部を卒業後、外科医・麻酔科医を経て外務省医務官へ転身し、現在も在宅訪問医として終末期医療の最前線に立ち続けている医師です。家族と患者の間で医師が直面するリアルな葛藤、医療制度の限界、「生かすこと」の本質的な意味——これらはすべて、久坂部自身の臨床経験から生まれた問いなのです。だからこそ廃用身をめぐる物語は、フィクションでありながら他人事として読めない緊張感を持ちます。
・大阪大学医学部卒業
・外科医・麻酔科医を経て外務省医務官に転身
・現在も在宅訪問医として終末医療に従事
・2003年、本作『廃用身』で小説家デビュー
・『破裂』『無痛』などがドラマ化
・本作『廃用身』は初の映画化
・著書に『無痛』『悪意』『芥川症』ほか多数
2003年の小説デビュー当時から「映像化絶対不可能!」と業界内で語られてきた本作がなぜ今映画化されたのか。その答えは、次の章で語る監督・吉田光希の20年間の執念にあります。
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映画「廃用身」あらすじ(ネタバレなし)
物語の舞台は、ある町のデイケア施設「異人坂クリニック」。院長・漆原糾(うるしはら・ただす)が考案した”画期的な治療”が、通う老人たちの間でひそかに広まっていた。
その治療とは——麻痺で回復見込みのない手足、すなわち廃用身を切断するというものでした。「究極のコスパ介護を実現する」という名目のもと行われるこの処置を受けた患者たちからは、「身体も心も軽くなった」「厳しい性格が柔らかくなった」という予想外の”好ましい副作用”が報告されていた。
噂を聞きつけた編集者・矢倉俊太郎は、老齢期医療に革命をもたらす可能性を感じ取り、漆原院長に本の出版を持ちかける。しかし、やがてデイケアに関する内部告発が週刊誌へと流出。さらに、患者宅で起きた衝撃の事件をきっかけに、すべてが暗転していく——。
キャスト・登場人物を紹介
登場人物の一覧は以下の表を確認してください。
| 役名 | 俳優名 | 役柄メモ |
|---|---|---|
| 漆原糾(うるしはら ただす) | 染谷将太 | デイケア施設の院長。廃用身切断という”画期的治療”を考案した医師 |
| 矢倉俊太郎 | 北村有起哉 | 編集者。漆原に出版を持ちかける |
| 漆原菊子 | 瀧内公美 | 漆原の妻。夫の行為への複雑な感情を秘める |
| 岩上武一 | 六平直政 | 両脚と左腕の麻痺をもつ患者。廃用身の治療を受けた高齢者 |
| 看護師・内野 | 中井友望 | クリニックで働く看護師。治療の実態を目撃する |
| その他 | 廣末哲万、中村映里子、吉岡睦雄 | |
主演の染谷将太(33)は、映画『ヒミズ』でヴェネツィア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)を受賞した日本映画界を代表する俳優。今作で演じる漆原糾は「善意か狂気か」を観客に判断させないまま突き進む医師であり、白黒つけさせない役柄を体現するには染谷将太以外に考えにくい適役といえます。
共演の六平直政が演じる岩上武一は、廃用身の治療を受けて人生を”取り戻した”高齢患者として、漆原の治療を肯定する側の象徴的な存在だ。一方、漆原の妻・菊子を演じる瀧内公美は、夫の行為に対する内なる葛藤を体現し、作品のもう一つの軸を形成する。公開されたキャラクターカットでは、それぞれが「真意の読み取れない表情」を見せており、すでに公開前から注目を集めています。
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監督・吉田光希とは?20年越しの渾身企画
監督・脚本を務める吉田光希は、映画監督・諏訪敦彦に師事し、鬼才・塚本晋也作品での現場経験を積んできた実力派。自主制作映画「症例X」で第30回ぴあフィルムフェスティバル審査員特別賞を受賞し、さらに第61回ロカルノ国際映画祭の新鋭監督コンペティション部門にも入選しています。『家族X』(2010年)、『三つの光』(2017年)ではベルリン国際映画祭をはじめとする多数の国際映画祭で高く評価されています。
本作は、吉田監督が学生時代に廃用身という原作と出会って衝撃を受けて以来、20年にわたり温め続けてきた渾身の企画です。「超高齢化社会の現実に直面したとき、ひとりの医師が下す選択を、観る人の皮膚の下まで、静かに届けたいと思いました」と語っています。
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見どころ3選:なぜ今この映画が話題なのか
映画『廃用身』が公開前から高い注目を集める理由を3点に整理した。詳細は下のボックスを参照してください。
第一の医療倫理テーマが特に現代的なのは、2025年時点で日本の高齢化率が29%を超え、介護現場の人手不足・財政圧迫が社会問題化しているからです。廃用身をめぐる「究極のコスパ介護」という命題は、他人事ではないリアリティで観客に迫ってきます。
第二の「映像化不可能」突破については、単に難しい描写の映像化にとどまらない。原作が問う「医師は患者に何をしてもよいか」という問い自体を映像で成立させること——それ自体が一つの映画的挑戦です。
第三の染谷将太の怪演については、本人のコメントが雄弁に語っています。「正義と悪は曖昧なものだという事は様々な作品で語られてきました。しかしこのような切り口から描かれ、世に投げかける作品は無かったのではないでしょうか」
主演・監督・原作者のコメント
公式発表にあわせて、染谷将太・吉田光希監督・久坂部羊の3名からコメントが発表されています。3名に共通するのは「正解を提示しない」という姿勢。善悪を断定せず、観客一人ひとりに問いを委ねる——廃用身という作品が目指すのは、答えではなく「問い」を届けることだといえます。コメント全文は下のパーツを参照してください。
よくある質問(FAQ)
映画『廃用身』について、検索で多く寄せられている質問に答えます。
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まとめ:映画「廃用身」を観る前に知っておきたいこと
映画『廃用身』は、単純な医療サスペンスに留まりません。廃用身という言葉が象徴する問いかけ——回復の見込みがない身体を「切り捨てる」行為は、果たして救済か、それとも暴力か——が物語全体を貫いています。超高齢化社会のただ中で生きる私たちに、この映画は正面から問いを突きつけてきます。
公式サイト(https://haiyoshin.com/)では特報映像やキャラクターカットが公開中。
最新情報は公式サイトよりご確認ください。
公開日:2025年12月24日 出典:natalie.mu
公開日:2025年12月24日 出典:cinematoday.jp
公開日:2025年12月24日 出典:eigasquare.jp
出版社:幻冬舎 ISBN:978-4-344-40672-0



