2025年春、NHKで放送予定の新ドラマ『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』。心温まるタイトルと、主演・中島健人さんの出演で早くも話題になっています。
さらに注目すべきは、脚本を手がけるのが、NHKの人気ドラマ「正直不動産」の根本ノンジ氏だという点。映画化もされた「正直不動産」で高い評価を得た根本氏が、今回はどんな人間ドラマを描くのか──期待が高まります。
| ✅ | 『コンビニ兄弟』に原作小説があるかどうか |
| ✅ | 原作者・町田そのこさんの作風と魅力 |
| ✅ | 脚本家・根本ノンジ氏の実績と期待できる演出 |
| ✅ | 原作小説のあらすじと3つの見どころ |
| ✅ | 主演・中島健人さんほか、キャスト情報 |
| ✅ | 原作とドラマ、どちらから楽しむべきか |
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- NHK春ドラマ『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』に原作はある?
- 脚本は「正直不動産」の根本ノンジ氏!注目の理由
- 原作小説『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』のあらすじ
- 原作小説の3つの見どころ
- NHKドラマ版『コンビニ兄弟』のキャスト情報
- ドラマ化で期待される映像表現と演出
- 原作小説とドラマ版の違いは?
- 原作を読んでからドラマを見るべき?見る順番のおすすめ
- 【yoshiy’s Eye考察①】なぜ今「コンビニ」が舞台なのか?現代社会への問いかけ
- 【yoshiy’s Eye考察②】「血縁を超えた家族」というテーマが持つ現代的意味
- 【yoshiy’s Eye考察③】根本ノンジ×町田そのこ──異なる作家性の化学反応
- 【yoshiy’s Eye考察④】なぜ門司港なのか?地方都市が持つ物語性
- 『コンビニ兄弟』を楽しむためのポイント
- まとめ|心が温まるNHK春ドラマ『コンビニ兄弟』
NHK春ドラマ『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』に原作はある?
原作は町田そのこさんの同名小説
本作には原作小説があります。
原作は、作家・町田そのこさんによる小説『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店 |
| 放送局 | NHK |
| 放送時期 | 2026年春 |
| 原作 | 町田そのこ『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』 |
| 脚本 | 根本ノンジ(「正直不動産」脚本家) |
| 主演 | 中島健人(Sexy Zone) |
| ジャンル | ヒューマンドラマ |
町田そのこさんは、2021年に『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した人気作家。
人の心の機微や日常に潜む優しさを丁寧に描く作風で知られており、本作もその魅力が存分に詰まったヒューマンドラマとなっています。
町田そのこ作品の特徴
町田そのこさんの作品に共通するのは、「傷ついた人たちが、小さな優しさで救われていく物語」という点です。
派手な事件や大きなどんでん返しはありませんが、読み終えた後に心がじんわりと温まる──そんな作品を多く生み出しています。代表作には『52ヘルツのクジラたち』『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』『宙ごはん』などがあり、本作『コンビニ兄弟』も、そうした町田そのこワールドの真骨頂が味わえる一冊です。
脚本は「正直不動産」の根本ノンジ氏!注目の理由
「正直不動産」で証明された実力
本作の脚本を手がけるのは、根本ノンジ氏です。
根本ノンジ氏は、NHKで放送され大ヒットしたドラマ「正直不動産」の脚本家。
同作はシーズン1・2ともに高視聴率を記録し、映画化も予定されており、原作の魅力を損なわず、ドラマならではの面白さを加えた手腕が高評価を得ています。
原作漫画のテンポ感とメッセージ性を活かしながら、登場人物の人間性を深く掘り下げた脚本は、多くの視聴者から支持を集めました。
「正直不動産」との共通点と違い
| 比較項目 | 正直不動産 | コンビニ兄弟 |
|---|---|---|
| 原作 | 漫画(大谷アキラ・夏原武) | 小説(町田そのこ) |
| ジャンル | 社会派ヒューマンドラマ | 日常系ヒューマンドラマ |
| 舞台 | 不動産業界 | コンビニ |
| 作風 | 業界の裏側を暴く テンポの良い展開 |
人の優しさを静かに描く 繊細な心理描写 |
| 共通点 | 仕事を通して人間の本質を描く|日常に根ざしたリアリティ|押し付けがましくないメッセージ | |
両作品には「仕事を通して人間の本質を描く」「日常に根ざしたリアリティ」「説教臭くない自然なメッセージ」という共通点があります。一方で、「正直不動産」が不動産業界の裏側を暴く社会派要素が強いのに対し、『コンビニ兄弟』は人の優しさや絆を静かに描くヒューマンドラマです。
根本ノンジ氏が、「正直不動産」とは異なる作風の原作を、どう映像化するのか──この点が、大きな注目ポイントと言えるでしょう。
根本ノンジ氏に期待できる脚本の特徴
根本氏の脚本の最大の特徴は、説明的なセリフを極力減らし、表情や間で語らせるという点です。「正直不動産」でも、一話完結のエピソードの中で登場人物の背景を丁寧に描き、視聴者の共感を呼びました。
また、説教臭さがなく、視聴者に考える余地を残す──そんな押し付けがましくない脚本も魅力です。町田そのこさんの繊細な原作と組み合わさることで、原作ファンも納得の、質の高いドラマになることが期待されます。
原作小説『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』のあらすじ
物語の舞台は門司港のコンビニ
物語の舞台は、福岡県・門司港の片隅にある架空のコンビニ「テンダネス門司港こがね村店」。
門司港は、レトロな街並みと港町の風情が残る観光地として知られています。
観光地としての賑わいと、どこか懐かしさが残る雰囲気の中で、このコンビニは地域の人々にとって“ただの店以上の場所”として存在しています。
24時間営業のコンビニは、さまざまな人生が交差する場所。
早朝、昼下がり、深夜──時間帯ごとに訪れる人々の人生模様が、静かに展開していきます。
穏やかな店長と個性豊かな常連客たち
物語の中心となるのは、穏やかで誠実な店長・志波三彦と、個性豊かな常連客たちです。
コンビニを訪れる人たちは、家族との関係に悩む人、過去に後悔を抱えたまま生きている人、誰にも言えない孤独を抱えた人、人生の岐路に立つ人など、それぞれに事情を抱えています。
店長の志波三彦は、そんな人たちに対して特別なことをするわけではありません。ただ、何気ない一言や、さりげない気遣いを重ねていくだけ。
しかし、その小さな優しさの積み重ねが、少しずつ人々の心をほどいていきます。
「兄弟」というキーワードに込められた意味
タイトルにもなっている「コンビニ兄弟」。
この「兄弟」という言葉には、血のつながりだけではない、人と人との”兄弟のような関係性”という深い意味が込められています。
本当の家族とは何か?人はどこでつながれるのか?血縁がなくても、家族になれるのか?──現代社会では、血縁家族だけが「家族」ではありません。選んだ相手と築く関係、心で結ばれる絆。そうした多様な家族のあり方が、この作品では優しく描かれています。
原作小説の3つの見どころ
原作の最大の魅力は、派手な展開がなくても心が動かされるという点です。
何気ない日常の中にこそ、人生の大切な瞬間があるのだと教えてくれます。
コンビニという誰もが知っている身近な舞台だからこそ、登場人物たちの悩みや喜びに共感しやすく、「自分の近くにも、こんな物語があるかもしれない」と感じさせてくれるのです。
また、町田そのこさんならではの繊細な心理描写により、言葉にならない感情の揺れや、過去のトラウマとの向き合い方が丁寧に描かれています。
読者は登場人物の視点を通して、自分自身の心とも向き合うことになるでしょう。
NHKドラマ版『コンビニ兄弟』のキャスト情報
| 俳優名 | 役名 | 役どころ |
|---|---|---|
| 中島健人 | 志波三彦 | 門司港こがね村店の店長。穏やかで誠実、人を惹きつける魅力を持つ |
| 未発表 | 「兄弟」となる人物 | 物語の鍵を握る重要人物。血縁か、心の絆か──詳細は放送で明らかに |
| その他 | 常連客たち | 実力派俳優陣が起用される可能性大。今後のキャスト発表に注目 |
中島健人さんが演じる志波三彦の魅力
主人公・志波三彦を演じる中島健人さんは、Sexy Zoneのメンバーとして活躍する一方、俳優としても多くのドラマや映画に出演してきました。
コンビニという日常の空間で、悩みを抱える人々にそっと寄り添う志波三彦。その穏やかで誠実な人物像は、中島健人さんの柔らかい表情や繊細な演技と非常に相性の良い役どころと言えるでしょう。
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「兄弟」となる重要人物の正体は?
タイトルにもなっている「コンビニ兄弟」。ドラマでは、志波三彦と深く関わる“兄弟と呼ばれる存在”が物語の重要な鍵を握ります。
血縁の兄弟なのか?それとも心で結ばれた兄弟なのか?過去にどんな出来事があったのか?──この人物のキャスティングや詳しい設定は、今後の発表や放送回を通して徐々に明らかになっていくと考えられます。
常連客役にも実力派俳優が集結か
本作の魅力は、主人公だけでなくコンビニに集う常連客たちにもあります。一人ひとりが主役になれるエピソードが用意されており、脇役であっても印象に残るキャラクターが多いのが特徴です。
NHKドラマらしく、実力派俳優陣が起用される可能性も高く、今後のキャスト発表にも大きな注目が集まっています。
ドラマ化で期待される映像表現と演出
門司港の美しい風景

ドラマ版では、門司港のロケーションも大きな見どころになるでしょう。
レトロな建築物が残る港町、関門海峡の美しい景色、観光地としての賑わいと静かな日常が共存する場所──こうした門司港ならではの風景が、物語の雰囲気づくりに大きく貢献すると期待されます。
原作では文字で表現されていた情景が、映像として目に飛び込んでくることで、より深く物語の世界に入り込めるはずです。
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根本ノンジ氏の脚本で期待できる演出
「正直不動産」で証明された根本ノンジ氏の脚本力。本作でも、町田そのこさんの原作が持つ繊細な心理描写を、映像でどう表現するか──ここに根本氏の手腕が発揮されるでしょう。
セリフに頼らない感情表現、登場人物の背景を丁寧に掘り下げる構成、押し付けがましくないメッセージ──こうした要素が、原作の持つ「さりげない優しさ」の雰囲気を損なわず、映像として昇華することが期待されます。
NHKドラマならではの丁寧な演出
NHKのドラマは、派手すぎない自然な演技、日常に溶け込むリアルな空気感、セリフの間(ま)を大切にした演出に定評があります。
本作でも、登場人物の表情や仕草に込められた感情表現を通して、原作が持つ温かさや優しさを損なわず、むしろ映像ならではの表現で深めていく──そんな演出が期待できるでしょう。
原作小説とドラマ版の違いは?
映像化で加わる新たな魅力
ドラマ版では、キャストの存在感や演技による解釈、映像ならではの門司港の景色、登場人物同士の関係性のより深い描写、音楽や効果音による感情表現など、原作にはない要素が加わります。
特に、中島健人さんが演じる志波三彦がどんな表情や仕草で人々に寄り添うのかは、ドラマならではの大きな見どころになるでしょう。
原作の温度感は保たれるのか?
原作ファンとして気になるのは、「原作の温かさが損なわれないか」という点です。
しかし、根本ノンジ氏は「正直不動産」で原作リスペクトの姿勢を貫いてきた実績があります。
NHKドラマも原作への敬意と丁寧な演出に定評があり、過去にも多くの文芸作品を映像化し、原作ファンからも高い評価を得てきました。
本作でも、原作の温度感を大切にしながら、映像ならではの魅力を引き出してくれると期待できます。
原作を読んでからドラマを見るべき?見る順番のおすすめ
✓ 登場人物の心理を深く理解したい
✓ 自分のペースで読み進めたい
✓ 町田そのこさんの文章が好き
✓ 中島健人さんの演技を楽しみたい
✓ 根本ノンジ氏の脚本に期待している
✓ 読書が苦手、または時間がない
原作で心理を理解 → ドラマで映像表現を堪能 → より深く作品世界を味わえます
どちらから入っても楽しめるのが、この作品の良いところです。原作を知っていると、ドラマでの細かな表情や演出、セリフの意味にも気づきやすくなります。
一方、ドラマで興味を持ってから原作を読むと、キャストの顔や声をイメージしながら読めるため、より物語に入り込みやすくなります。
結論としては、原作もドラマも両方楽しむ</strong></span>のが最もおすすめです。
それぞれ違った魅力があり、相互に補完し合う関係になっているからです。原作で心理描写を深く理解し、ドラマで映像表現を堪能する──そうすることで、作品世界をより立体的に楽しめるはずです。
【yoshiy’s Eye考察①】なぜ今「コンビニ」が舞台なのか?現代社会への問いかけ
失われつつある「第三の場所」としてのコンビニ
原作がコンビニを舞台に選んだことには、現代社会への深い洞察が込められています。
かつて日本社会には、家でも職場でもない「第三の場所(サードプレイス)」が至るところにありました。商店街の八百屋、地域の喫茶店、銭湯、公民館──そうした場所で、人々は自然に顔を合わせ、何気ない会話を交わしていました。
しかし現代では、そうした場所の多くが失われています。24時間営業のコンビニは、現代社会に残された数少ない「誰もが立ち寄れる場所」なのかもしれません。
コンビニが映し出す「孤立化する社会」
興味深いのは、コンビニという場所の二面性です。
一方では効率的で便利な無機質な空間──セルフレジ、最小限の会話、機械的な接客。もう一方では人と人が必ず交差する場所──深夜に訪れる人、早朝の常連客、ふらりと立ち寄る若者。
『コンビニ兄弟』は、この二面性の中で、人間的な温かさを取り戻そうとする物語だと言えるでしょう。効率化・デジタル化が進む社会の中で、「人と人とのつながり」をどう維持していくのか──その問いかけが、この作品には込められています。
『コンビニ人間』との対比──同じ舞台、真逆の視点
村田沙耶香さんの芥川賞受賞作『コンビニ人間』(2016年)も、コンビニを舞台にした作品です。しかし、同じ「コンビニ」を描きながら、両作品は真逆のアプローチを取っています。
『コンビニ人間』が描くのは「非人間性」
村田作品では、コンビニはマニュアル化された「システム」「機械」として描かれます。主人公・古倉恵子は、コンビニの「部品」になることで初めて社会に居場所を見出します。そこには人間的な温かさはなく、むしろ効率性と均質性が支配する冷たい空間です。
これは、現代社会の同調圧力や「普通」の暴力性を暴く、鋭い社会批評でした。
『コンビニ兄弟』が描くのは「人間性の回復」
一方、町田そのこさんの本作では、コンビニは「人が集まる場所」「心の居場所」として描かれます。店長の志波三彦は、マニュアルを超えた人間的な優しさで、人々に寄り添います。
同じコンビニという舞台でも、『コンビニ人間』が「コンビニの非人間性を通して社会の冷たさを暴く」のに対し、『コンビニ兄弟』は「コンビニの身近さを通して、現代社会に温かさを取り戻そうとする」──この対比は、両作家の問題意識の違いを鮮やかに浮き彫りにします。
『コンビニ兄弟』は、ある意味で『コンビニ人間』が突きつけた問いへの「もう一つの答え」なのかもしれません。
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放送前に、町田そのこ×根本ノンジの世界を。
中島健人さんが魅せる、新たな店長像。そして『正直不動産』の脚本家・根本氏が描く人間賛歌──。この春、一番温かいドラマを120%楽しむために、U-NEXTで関連作を予習しませんか?
● 根本ノンジ脚本『正直不動産』一挙配信:
本作と同じ脚本家が手掛け、日本中を熱狂させた『正直不動産』シリーズを配信中。痛快ながらも心に響く「根本流」の演出を体感できます。
● 町田そのこ原作『52ヘルツのクジラたち』:
本屋大賞受賞の感動作。原作者が描く「孤独と再生」のテーマを、映像作品でも深く知ることができます。
● NHKオンデマンドで過去の感動作も:
付与されるポイントを使って、NHKが制作してきた質の高い短編ドラマやドキュメンタリーも視聴可能です。
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根本ノンジ氏が描き続ける「仕事と人間性」
根本ノンジ氏が「正直不動産」に続いて本作を手がけることにも、深い意味があります。
「正直不動産」では、利益追求と顧客の幸せの間で葛藤する不動産営業マンを描きました。本作『コンビニ兄弟』では、マニュアル化されたサービス業の中で、人間的な優しさをどう保つかという問いに向き合います。
両作品に共通するのは、「仕事を通して人間性を問う」という姿勢です。資本主義社会、効率化社会の中で、人はどう人間らしくあり続けられるのか──根本氏はそのテーマを、一貫して追求しているのではないでしょうか。
【yoshiy’s Eye考察②】「血縁を超えた家族」というテーマが持つ現代的意味
多様化する家族のかたち
タイトルにある「兄弟」という言葉は、2026年という時代において、きわめて現代的なテーマを提示しています。
現代の日本社会では、家族のかたちが急速に多様化しています:
- 事実婚・選択的夫婦別姓を選ぶカップル
- 養子縁組や里親制度による家族
- LGBTQ+のパートナーシップ
- シェアハウスでの疑似家族
- 一人暮らしでも「家族のような友人」を持つ人々
こうした中で、『コンビニ兄弟』が問いかけるのは「血のつながりだけが家族を定義するのか?」という根本的な問いです。
「選ばれた家族」の時代
特に注目すべきは、「Chosen Family(選ばれた家族)」という概念との親和性です。
これは、生まれた家族(Family of Origin)ではなく、自分で選んだ人々との絆を「家族」と呼ぶ考え方。特に欧米のLGBTQ+コミュニティで広まった概念ですが、今や性的指向に関係なく、多くの人が共感する価値観になっています。
『コンビニ兄弟』が描く「兄弟のような関係性」は、まさにこの「選ばれた家族」の物語なのかもしれません。血縁ではなく、心でつながる──そんな関係性を、この作品は肯定的に描いていくのでしょう。
町田そのこ作品が一貫して描く「居場所」
実は、町田そのこさんの作品には一貫したテーマがあります。それは「傷ついた人が、居場所を見つける物語」です。
『52ヘルツのクジラたち』では、虐待から逃れた母子が新しい居場所を見つけます。『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』では、学校に居場所がない少女が、おじさんとの交流で心を開いていきます。
そして本作『コンビニ兄弟』でも、コンビニという場所が、血縁家族に居場所がない人たちの「心の居場所」になっていくのです。
【yoshiy’s Eye考察③】根本ノンジ×町田そのこ──異なる作家性の化学反応
脚本家と原作者の「優しさ」の違い
根本ノンジ氏と町田そのこさん──この二人のクリエイターが出会うことで、どんな化学反応が生まれるのでしょうか。
根本ノンジ氏の「優しさ」は、どちらかというと「社会や構造に対する怒り」から生まれるものです。「正直不動産」では、不動産業界の闇を暴きながらも、その中で誠実に生きようとする人々を描きました。
一方、町田そのこさんの「優しさ」は、「人間の弱さへの深い理解」から生まれるものです。完璧ではない人、傷ついた人、過ちを犯した人──そんな人たちを、決して切り捨てずに描きます。
この二つの「優しさ」が融合したとき、社会構造への批評性と、個人の内面への深い共感が両立した作品が生まれる可能性があります。
ドラマ化で加わる「行動」の物語
小説とドラマの最大の違いは、小説が「内面」を描くのに対し、ドラマは「行動」を描くという点です。
町田そのこさんの原作は、登場人物の心の動きを丁寧に、繊細に描きます。しかしドラマでは、その心の動きを「行動」や「表情」で表現しなければなりません。
根本ノンジ氏の脚本は、この「内面を行動に変換する」作業において、非常に高い技術を持っています。「正直不動産」でも、主人公の心の変化を、彼の営業スタイルの変化として視覚化しました。
本作でも、志波三彦の内面の優しさが、どんな「行動」や「表情」として表現されるのか──ここに、ドラマ版ならではの魅力が生まれるはずです。
【yoshiy’s Eye考察④】なぜ門司港なのか?地方都市が持つ物語性
東京でもなく、完全な田舎でもなく
物語の舞台が門司港であることにも、深い意味があります。
東京を舞台にしなかったのは、おそらく意図的でしょう。東京のコンビニでは、人と人との距離が遠すぎます。完全に匿名化された都市では、「コンビニで心を通わせる」という物語が成立しにくい。
かといって、完全な田舎では、コンビニ以外にもコミュニティが存在します。門司港のような「地方都市」だからこそ、コンビニが持つ意味が際立つのです。
観光地と生活圏の交差点
門司港は、観光地としての顔と、地元民の生活圏としての顔を持っています。
レトロな観光スポットを訪れる旅行者と、そこで日常を送る地元住民──この二つの層が自然に交わる場所が、コンビニです。外から来た人、地元の人、様々な人生が交差する舞台として、門司港は理想的な設定と言えるでしょう。
また、関門海峡を挟んで本州と向き合う場所──どこか「境界」的な雰囲気を持つ門司港は、「血縁」と「選ばれた家族」の境界を描く本作のテーマとも、象徴的に重なります。
『コンビニ兄弟』を楽しむためのポイント
ゆっくり味わうように見る
この作品は、急いで見るタイプのドラマではありません。大きな事件や派手な展開を求めるのではなく、登場人物の小さな変化、何気ない会話の中に込められた意味、表情や仕草に表れる感情──こうした細部をゆっくり味わうように見ることで、作品の本当の良さが分かってきます。
自分の日常と重ね合わせてみる
『コンビニ兄弟』は、私たちの日常と地続きの物語です。自分の周りにも、こんな優しい人はいないか?自分は誰かにとっての「志波三彦」になれているか?日常の中の小さな優しさに、もっと気づけないか?──物語を通して、自分自身の人生や人間関係を見つめ直すきっかけになるかもしれません。
まとめ|心が温まるNHK春ドラマ『コンビニ兄弟』
原作とドラマ、両方楽しんでみてはいかがでしょうか?
派手な展開や大きな事件はありませんが、人の温もりを感じるドラマが好きな方には、特におすすめの作品です。
「正直不動産」で多くのファンを獲得した根本ノンジ氏が、今度はどんな人間ドラマを見せてくれるのか──その点でも非常に楽しみな作品と言えるでしょう。疲れた心にそっと寄り添ってくれる、春にぴったりの優しい物語。放送開始とともに、さらに話題が広がりそうですね。
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